老後資金の目標が「決まらない」本当の理由
老後資金の目標を決めようとすると、こんな壁にぶつかりがちです。
- 「2,000万円問題」という数字が頭にあって怖い
- 自分の年金がいくらもらえるかわからない
- 老後に何円かかるか、見当もつかない
でも、これらは全部「情報不足」による不安です。数字を一つひとつ確認していくと、じつは答えは出せます。
目標金額は「完璧に正確」でなくてOKです。まずざっくりした数字を出して動き始めることが、資産形成の第一歩。数字は後からいつでも見直せます。
老後資金の目標金額を決める3ステップ
逆算の流れはシンプルです。
- 老後の月の生活費を概算する
- 毎月もらえる年金額を確認する
- 「不足額 × 年数」で目標金額を出す
それぞれ順番に見ていきましょう。
ステップ1:老後の月の生活費を概算する
まず「65歳以降、毎月いくら使いそうか」を出します。ゼロから考える必要はありません。今の生活費をベースに少し調整するだけでOKです。
一般的に、老後の生活費は現役時代の約70〜80%になると言われています。子育てが終わり、住宅ローンも完済していれば、支出は自然と減ります。
計算式
今の月の生活費 × 0.7〜0.8 = 老後の月の生活費(目安)
例)今の生活費が月25万円の場合
25万円 × 0.75 = 月18.7万円(約19万円)
参考:老後の生活費の目安
総務省の家計調査(2024年)によると、65歳以上の夫婦のみ無職世帯の平均的な支出は月約28.6万円、単身世帯は月約16.1万円です。参考値として使ってみてください。
| 項目 | 今の金額(目安) | 老後の金額 |
|---|---|---|
| 食費・日用品 | — 万円 | — 万円 |
| 家賃・住居費 | — 万円 | — 万円 |
| 光熱費・通信費 | — 万円 | — 万円 |
| 医療・保険 | — 万円 | — 万円 |
| 趣味・交際費 | — 万円 | — 万円 |
| 合計 | — 万円 | — 万円 |
ステップ2:年金の受給額を確認する
次に「毎月いくら年金をもらえるか」を確認します。これはねんきんネットで簡単に調べられます。
ねんきんネットで確認する方法
- 「ねんきんネット」(日本年金機構)にアクセス
- マイナンバーカードまたはIDでログイン
- 「年金見込み額試算」をクリック
- 65歳受給開始の見込み額を確認
毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」にも見込み額が記載されています。直近のものがあれば、それを使ってもOKです。
専業主婦・パート期間が長い場合、年金額が少ない場合があります。夫婦の場合は2人分を合計して計算してください。
年金額の目安(参考)
| ケース | 月の年金受給額の目安 |
|---|---|
| 会社員として長く働いた場合(夫婦) | 約20〜23万円 |
| 自営業・パート中心の場合(単身) | 約6〜10万円 |
| 専業主婦期間が長い場合(単身) | 約5〜7万円 |
※あくまで目安です。必ずご自身の年金見込み額を確認してください。
ステップ3:不足額 × 年数で目標金額を逆算する
ステップ1とステップ2の数字がそれぞれそろったら、いよいよ目標金額の計算です。
計算式
(老後の月の生活費 − 月の年金額)× 12ヶ月 × 老後の年数 = 目標金額
具体例
老後の月の生活費:19万円
月の年金受給額:11万円
老後の期間:65歳〜85歳の20年間
不足額:19万円 − 11万円 = 月8万円の不足
目標金額:8万円 × 12ヶ月 × 20年 = 1,920万円
「2,000万円問題」という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、これはまさにこの計算から出てきた数字です。ただし、これはあくまで平均的な試算。あなたの生活費や年金額によって、必要な金額は大きく変わります。
老後の期間の目安
| 受給開始年齢 | 想定寿命 | 老後の年数 |
|---|---|---|
| 65歳から | 85歳まで | 20年間 |
| 65歳から | 90歳まで | 25年間 |
| 60歳から | 85歳まで | 25年間 |
長生きリスクを考えると、少し長めに見積もっておくのが安心です。
自分で計算してみよう
( 万円 − 万円)× 12 × 年 = 万円
↑ ステップ1の生活費、ステップ2の年金額、老後の年数を当てはめてください。
目標金額から月々の積立額を出す
目標金額が出たら、今度は「毎月いくら積み立てればいいか」を計算します。
目標金額 ÷ 積立期間(月数)= 月々の積立額
例)目標1,920万円・今55歳・65歳までの10年間で積み立てる場合
1,920万円 ÷ 120ヶ月(10年)= 月16万円
NISAなどで運用益が出れば、実際の積立額はもっと少なくて済みます。複利の力を使えば、月5〜7万円でも20〜30年で大きな資産に成長する可能性があります。まずはできる金額からスタートしてみましょう。
「積立期間が短いからもう遅い」と思わないでください。50代から始めても、つみたてNISAの非課税枠を活用しながら与10〜15年積み立てれば、十分な効果が期待できます。始める時期が早いほど有利なのは事実ですが、「今日が一番早い日」です。
まとめ:目標金額の決め方3ステップ
- 老後の月の生活費を概算する(今の生活費 × 0.7〜0.8)
- ねんきんネットで月の年金額を確認する
- (生活費 − 年金)× 12 × 年数 で目標金額を逆算する
目標金額が出たら、あとは積立額を決めてスタートするだけ。数字は完璧でなくてOK。動きながら毎年見直していけば大丈夫です。
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